サービス概要について
エクササイズコーチは、パーソナルトレーニングにAIを導入し、トレーニングを効率的に行うことで、低価格かつ高効率に体を鍛え上げることができるパーソナルトレーニングジムです。
最近は筋トレ弁護士という新ジャンルも登場し、「ダンベル何キロ持てる?」がアニメで放送開始されたりと、筋トレ業界が盛り上がりを見せているものの、イノベーションがあまり生まれていなかった領域です。
そこにAIで殴り込むのがエクササイズコーチになります。
図解してみる
図解してみるとこんな感じ。

特徴は、
① AI導入で最大効率の筋トレができる
② そのため、1回のトレーニングが20分で済む
③ 料金も低く設定できる
という好循環をビジネスモデルとして成立させているところにありますね。
AIで最大効率の筋トレってなに?
筋トレってとてつもなく奥が深いんです。
ただやみくもにジムに行ってマシンで筋トレすれば良いかというと、そういうわけではない。
筋肥大させたい(体を大きくしたい)のか、シェイプアップしたいのか、使える筋肉を作りたいのか、など目的によってトレーニング方法を変える必要があります。
さらに、その人の体に合った負荷をかけてあげないと、筋トレとしての効果が出なかったり、逆に怪我につながってしまう危険性があります。
こういう複雑な要素が絡み合っているので、一口に筋トレと言っても自分ひとりで効率的にトレーニングするのは、なかなか難しいのです。
いままで、この問題にチャンスを見出していたのがパーソナルトレーナーと呼ばれる人たち。
彼らは、それぞれのニーズに沿った食事管理やトレーニング指導をすることで、効率的に筋トレの効果を上げることを売りにしています。
エクササイズコーチも基本的にはこの方針なんですが、独自の強みはトレーニングにAIを導入していることです。
マシンが体の可動域や筋肉の動きなどを測定し、AIで解析。その人に合ったトレーニング方法を自動で組み上げてくれるんですね。
それによって、従来のパーソナルトレーニングでは60分程度の時間を要するトレーニングを、わずか20分でできるようにしています。
トレーナーは全体の方針や細かいフォームチェックなどを指導
マシンに任せきりかと言うとそうではなく、しっかり研修を受けたトレーナーがマンツーマンで指導してくれます。
何を目的にトレーニングするのか、普段の運動はどれくらいかなどの情報をもとに、全体のトレーニング方針を決定。
マシントレーニングの際も、細かいフォームチェックなどを徹底的に行ってくれます。
マシントレーニングは、ただマシンを動かせばいいわけではなく、ちゃんとフォームを作ってあげないと目的の筋肉に負荷をかけることができないんですね。
これをチェックするのは機械より人間の目のほうが得意ということで、トレーナが必要になるわけ。
うまいこと棲み分けができてます。
パーソナルトレーナーとしては破格な価格設定を実現している
で、短時間で最大効率のトレーニングができるようになっているので、単価を下げても顧客数を増やして利益を上げるモデルをとることができます。
エクササイズコーチは月8回のコースを32,000円で提供。
1回あたりに換算すると4,000円です。
普通のパーソナルトレーニングは、どんなに安くても1回あたり10,000円は超えてくるので、この価格設定がいかに破格か、ということがわかります。
それで同じ効果が得られるなら安い方行きますよねって話。
法律面について整理してみる
エクササイズコーチのサービスにプロパーの問題は特にないので、パーソナルトレーナにあるあるの「返金保証」と、飲食店やジムにおいてよく見られる「フランチャイズ契約」について、ざっくり解説してみたいと思います。
返金保証について
まずは返金保証です。
これは何かと言うと、
「トレーニングの効果が出なかったら、会費を返金します!」
という保証のことです。
パーソナルトレーニングの先駆けであるライザップを始め、多くのパーソナルジムが返金保証を取り入れています。
パーソナルトレーニングは先程もちらっと紹介したとおり、とにかく高額なので、新規客に少しでも安心してもらうための策といえます。
法律的に整理すると、まずジム─利用者間では返金の特約を結んでいることになりますね。
で、この契約の際に返金条件などを明確に利用規約等に表示しておかないと、景品表示法の規制に引っかかる可能性があるので注意が必要になります。
過去にはライザップが景品表示法違反の疑いをかけられ、会則を変更したことがありますね。
〜ライザップの事例〜
「内容にご納得頂けない場合、全額を返金させていただきます」という30日間全額返金保証を謳っていたのですが、実際には会社の承認が必要なため返金されない場合があり、「有利誤認表示」にあたると指摘を受けました。
エクササイズコーチには、このような返金保証は今のところ無いみたいです。
もしかすると、返金保証すら必要ないほどにトレーニング効果に自信を持っているということかもしれませんね!
フランチャイズ契約について
もう一つ解説。
フランチャイズ契約についてです。
飲食店なんかでは耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
フランチャイズ契約(「FC契約」ともいう)とは、ざっくり言うと、
本部が加盟店に対して、お店の名前やサービス提供の権利を与えてサポートする代わりに、お店の利益の一部を得る契約のことです。
エクササイズコーチもFC契約を行っています。
エクササイズコーチのサービスを導入したい人が、エクササイズコーチジャパンから「エクササイズコーチ」という名前(商標)の利用権や専用マシンの導入、トレーナー育成研修などのサポートを受ける代わりに、加盟店で出た利益の一部をエクササイズコーチジャパンに支払う契約ですね。
これもAIを導入してパーソナルトレーニングをヒト依存からマシン主体に切り替えられたことで可能になった戦略。
ただ、FC契約ってよく利用される割に、その中身は色々な契約形態が絡み合ってて超難解、しかも中小小売商業振興法や独占禁止法といった業法規制もかかってくるので厄介です。
今後の展開について考えてみる
そんなエクササイズコーチの今後を考えてみましょう。
キーワードは「食事管理」と「コミュニケーションの希薄化」です。
食事管理もAI化できれば面白い
現在、エクササイズコーチは、トレーニングにAIを導入して最大効率の筋トレができるようにしています。
一方、筋トレに必要なもう一つの大事な要素が「食事管理」です。
これは、痩せたい人も、シェイプアップしたい人も、バルクアップしたい人も共通で重要になる要素です。
筋トレは、トレーニングと食事管理の両輪がうまく連結してこそなんですね。
なので、エクササイズコーチが食事管理についてもAIで指導できるようになったら面白いなと思っています。
例えばライザップは、トレーニングだけでなく食事管理を徹底しています。
日々の食事をすべてトレーナーに送らせ、「これは食べていいけどこっちはだめ」「もう少し量を減らして」など細かい指導を入れて徹底的に食事管理をします。
ライザップの利用者は大半がダイエット目的ですよね。
ダイエットのために必要なのは、「基礎代謝アップ」と「食事制限」です。
ただ運動しているだけではなかなか痩せません。
ダイエットの構造は実は単純で、
消費カロリー>摂取カロリー
であれば体重は勝手に落ちていきます。
基礎代謝アップは左の方に、食事制限は右の方にかかってくる要素です。
筋肉量が上がると基礎代謝量があがるので、日々の消費カロリーが増える。
食事制限をすれば、摂取カロリーは落ちる。
この2つで、上記の式を成立させ、短期間でのダイエットを可能にしているんですよ。
エクササイズコーチでは現在、トレーニングの最適化を行っている段階なので、両輪のもう一方である食事管理もできるようになれば、より結果にコミットできるというわけです。
ちなみに、この食事管理の方から攻めるサービスもあります。
それがMuscle Deliです。
これは、パーソナライズされた食事を宅配することでボディメイクのための食事管理を実現するためのサービスです。
現状は3種類の食事パターンからしか選べないみたいですが、将来的にはもっと細分化された食事メニューに対応するものと予想されます。
エクササイズコーチもこの流れを汲んで、例えば、ジムにデリカテッセンを併設し、個々人の目的にあったメニューを提供するという形で食事管理をするなんてのが面白そうです。
パーソナルジムに不可欠なコミュニケーション要素
今度は、エクササイズコーチの弱みに関する考察です。
ここでいう弱みとは、「パーソナルジムで生まれるコミュニケーションがエクササイズコーチでは希薄化する」です。
パーソナルジムというのは、特定のトレーナーに継続的に指導してもらうことを前提としています。
利用者は、ボディメイクを目的にサービスを利用しているのは当然ですが、トレーナーとのコミュニケーションをも目的としていることは否めません。
これは、美容室のリピーターを考えるとよくわかります。
美容室に行く主な目的は髪を切ることですよね、当たり前ですけど。
が、継続的に同じ美容室に通う人は、そこにいる美容師の技術だけでなく「その美容師とのコミュニケーション」に信頼を寄せていることが多いです。
パーソナルジムも同じで、主な目的はボディメイクにあっても、「そこにいるトレーナーとのコミュニケーション」にも価値を感じていることが多いのです。
そうだとすれば、パーソナルジムのトレーニングが1回60分という長い時間を要することにも、実は意味があると捉えることもできます。
エクササイズコーチは1回20分でマシン主導のトレーニングなので、トレーナーが介入する余地は比較的少ないです。
つまり、エクササイズコーチは、普通のパーソナルジムに比べると、利用者とトレーナーとの間のコミュニケーションが希薄化する傾向にあるということができます。
結果にコミットするという実利だけを考えるなら問題にはならないのですが、そういうお客ばかりではないのも実情ですからねー。
エクササイズコーチが、忙しいサラリーマンをターゲットにしているのはこういった要素によるものと考えています。
エクササイズコーチの拡大には広告戦略がめちゃくちゃ重要という話
これに関連してもう一つ。
ターゲティングを言い換えると、「筋トレの効果を最大効率で獲得したいという理性的な判断ができ、トレーナーとのコミュニケーションにはそれほど価値を感じない客層」ですね。
で、こういう冷静な判断ができる人ってそもそも太ってないことが多いのですよ。
どういうことか。
冷静な判断ができる=理性がしっかり働いている=前頭葉が活性化している
なんですね。
で、肥満の原因は、前頭葉(をはじめとする灰白質)の機能不全による食べ過ぎと考えられています。
つまり、肥満の人は冷静な判断をする能力が弱い可能性が高いのです。
そうすると、肥満の人が「ダイエットしよう!」と意気込んでも、「色々なパーソナルジムを比較してみる」とか「値段の安いところを探してみる」という理性的な行動はとりにくく、名の売れているライザップなど既存の有名なパーソナルジムに行くだけ。
「色々なパーソナルジムを調べた結果、高コスパなエクササイズコーチにたどり着く」というルートを取ることは考えにくいのですよ。
なので、エクササイズコーチとしては、とにかく「ダイエットしたい→エクササイズコーチ」という思考を肥満な人に植え付けさせるために、あらゆる広告戦略を取る必要があると思っています。
相当体力が必要な施策ですが、避けては通れない問題です。
(個人的な要望)AI搭載のマシンを普通のジムに入れてほしい
これは完全に個人的な要望なのですが、AI搭載のマシンを普通のジムにも入れて欲しいですね。
ゴールドジムをはじめとするフィットネスジムですでに筋トレをしている人は、フォームなどマシンの使い方については習得している人がほとんどです。
しかし、「今の自分にとっての最大効率のトレーニング」については、暗中模索している人が多いのも事実。
ここにAI搭載のマシンが導入されれば、各々が自分にあったトレーニングを最短距離で行えるようになります。
ここにエクササイズコーチのようなトレーナーはあまり必要ありません。
各ジムに常駐しているような既存のトレーナーで充分です。(上述したトレーナーの役割を思い出してみてください。)
そのため、ガチめなジムにエクササイズコーチのマシンを導入してもらえれば、みんながもっと筋トレの楽しさを実感できるようになると思うのですね。
これを個人的な要望と書いたのは、エクササイズコーチのビジネスモデルやマネタイズのことを考えると到底取りえない施策だからです。
というのも、自らの強みを囲い込むことができないから。
なのであくまで、個人的な要望と書きました。
でも導入してほしいな……
健康を最短距離で手に入れよう!
エクササイズコーチは、AIをトレーニングに導入したことで、高効率・低価格なボディメイクの可能性を提供することに成功しています。
普通のジムでは筋トレのいろはもわからず続かないし、かといってパーソナルトレーナーは高すぎる…という人にとっては最適な選択肢です。
エクササイズコーチが広まれば、誰でも手軽に健康体を手に入れられるようになるかもしれません。
筋トレ業界に旋風を巻き起こす存在になるか、期待して見ていきたいです。
気になった方は是非公式HPをのぞいてみてくださいねー!
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